デニムパンツをリニューアルしました(2022.5.17)


お世話になります、ダンジョデニムの福川です。デニムパンツについてもリニューアルをいたしましたので、どこを主に変更したのか説明させてください。ちなみに①~④はGジャンのリニューアル時と内容が重複します

※1着売れるごとに100円ずつ値上げしておりまして本来は15200円(5/17時点)なのですが、しばらくオーダー受付を停止していたため公式ページでの販売は6/7までオーダー停止前の14200円で承ります。オーダーしたかったけどできなかったよ!という方は改めてご検討いただければ幸いです。

 

①生地を変えました

  • リニューアル前: 岡山県産12.5オンス程度左綾綿100%ダブル幅デニム
  • リニューアル後: 岡山県産13オンス右綾綿100%セルビッチ赤耳デニム。
リニューアル後のデニム生地は、高級コットンとして有名なジンバブエ産コットンを使用しています。油分を多く含み、張りのある糸で光沢感のある表情が特徴です。染色も硫化染料とインディゴを使用しており、100%インディゴ染めにはない、加工後のシックな(鮮やか過ぎないグレーっぽい)色落ちも特徴です。


まず左綾を右綾に変えたのは、右綾と左綾のそれぞれの生地を使ったGジャンを自分で作って2年着て色落ちを確認したところ、右綾の方がポツポツと色落ちのムラがを感じて自分の好みに合ったため右綾にしました。

以下、Gジャンでの右綾デニムと左綾デニムの色落ちの違いです。

向かって右側が右綾の生地を使い、左側が左綾の生地を使ったGジャン

ダブル幅のデニムというのは標準的な幅(約150cm)のデニムです。リニューアル後のセルビッチデニムの幅はその約半分の約80cm(シングル幅)です。

奥がダブル幅の生地、手前がシングル幅のセルビッチデニム

セルビッチデニムの方が旧織機でゆっくり織られるため表面に凹凸が出て色落ちしたときの風合いが豊かになってこれまた自分の好みに合いました。
また、私のように小さな工房で1着ずつ作るスタイルだと1反(約50m)が40kg近くあるダブル幅よりも20kg程度のシングル幅の方が裁断時の負荷が少なく作業できます。生地を広げるのもダブル幅だとそれくらいの広さの作業台が必要になりますし何枚重ねかするのも一苦労なんです(^_^;)>

今はまだ肉体的に頑張れますがこれが70歳になっても40kgの原反を負担なく運べるかと言われるとちょっと自信がありません…。

また、セルビッチデニムは生地の端が耳になっているのでオーバーロックでかがる必要がありません。オーバロックの手間を省ける上、この耳をパターンに活用することで裁断の時の1辺をカットする手間も省けます。

また、一般的なデニムはそれ自体で厚みがあるため縫い進めていくごとにどんどん厚みが増していきます。その厚みはシルエットにも影響します。セルビッチの耳を使用することで生地の厚みを減らす工夫の余地が生まれます。

ちなみにセルビッチデニムも標準的なデニムも1mあたりの単価はほとんど変わりません。ただ、生地幅が約半分になるので必要な生地の量が倍になります。ということで生地代のコストは倍になります。

②上糸の色を変えました

  • リニューアル前)30番手スパン糸 濃紺
  • リニューアル後)30番手スパン糸 グレーに近い薄めの紺

左がリニューアル前、右が後

これまではデニム生地に馴染むように、というか糸が目立たないように濃紺の糸を使っていましたが、デニムが色落ちするにつれて その濃紺が目立つようになっていました。それが良いという見方もあるのですが、できるだけシンプルなデザインにしたかったため色落ちした時も生地に馴染むように色落ちしたデニムに近い色にしました。

ノンウォッシュデニムにリニューアル前(上)、リニューアル後(下)の糸で縫ってみた状態

色落ち加工されたデニムにリニューアル前(上)、リニューアル後(下)の糸で縫ってみた状態。ノンウォッシュデニムとは生地が異なります。また、カメラの補正によって糸の目立ち方に癖が出ていますが、肉眼でもリニューアル後の色の方が生地に馴染んでいるのが分かります。

色を紺にしているのは、できるだけ色数を多くしないためです。服のコーディネートを考える際、色数が多いと全体的な統一感が取りにくくなってしまいます。もちろん個人の好みはありますが、バランスを取りたいので3色以下に押さえたいです。そんな中、パンツで2色使うと残り使えるのは1色になります(白黒は無彩色なので1色にカウントしません)。それよりはパンツで同系色の1色にしておけば残りのアイテムで2色選べますからどんな靴にしようか等、選択の幅が広がります。ちなみに同じ理由でボタン等の金具も無地のシルバーを基本としています。
ただし、「金茶の糸にしたい」「赤が好きだから赤の糸にしたい」等の希望もあるかと思います。その場合はオプションで上糸の色を変更できますので遠慮なくご要望ください。

③織ネームで製造年月等を表記するようにしました

  • リニューアル前)刺繍や革パッチに製造年月等を表記
  • リニューアル後)織ネームを使って製造年月等を表記


これまでは家庭用刺しゅう機を使って、ポケットの口布等に「製造年月、サイズ(例:Jan.2021 M)」を表記したり、革パッチにレーザー加工機で印字していました。ただし刺しゅうだと、生地の裏面にも縫い糸が見える、データ入力に多少時間がかかる、小さい字は見えにくい、など改善したい点がありました。

今後は織ネームという生地に織り込まれた文字で「型番、サイズ、(袖丈or裾丈の)調整、製造年月、生地」を表記します。織ネームを使えば、データ入力が必要ない、小さく表記できる等、メリットがあります。ただし、織ネームを並べる手間と織ネーム自体の作成コストがかかります。多分こんなことやってるブランドは他にはない…はず。世界中の服を見たわけではないので何とも言えませんが…。ちなみにこの織ネームを勝手に「ダンジョネーム」と名付けました。

④ボタンホールを♂♀にしました。

  • リニューアル前)ボタンホールミシンを使ってボタンホールを作成
  • リニューアル後)閂止めミシンを使ってオリジナルのボタンホールを作成

デニムのアイテムでボタンホールを開ける際は通常、専用のボタンホールミシンを使います。それを「閂(カンヌキ)止めミシン」という、本来補強縫いをするために使うミシンを使ってボタンホールを作るようにしました。

新しい閂止めミシンは、プログラムを作ることによって縫いの形を指定することができます。日頃お世話になっているミシン屋さんからの提案もあり、ボタンホールを男女の「♂」「♀」の形になるようにプログラムしてみました。

白い生地でテストした写真。一番上から「♂」「♀」「一般的な形」

分かりにくいですが「♂」のように…見えますか?

閂止めミシンは通常自動で穴を開けてくれないので、手作業で穴を開けます。ボタンホールミシンで縫うより時間がかかります。多分こんな非効率なことやってるブランドは他にない…はず。個人で1着ずつ縫ってるからこそできる独自性ととらえください。

⑤後ポケットをヨークに組み込みました

後ポケットをヨーク(お尻の上部のパーツ)の中に入れ込むことでポケットを目立たなくさせてみました。これ結構縫うの大変ですが…スッキリ見えると思い、やってみました。

 

 

後ポケットが見えなくなることで、カジュアルからキレイ目な感じになり、お尻の位置も上に見えるようになります。

⑥アジャスターの金具を変えました

ウエストのアジャスターの金具を変更しました。↓が変更前です。

そして↓が変更後です。

1本線から2本線へ。オプションで色も選べます。ボタンの色を変える場合はアジャスターも変えると色を統一できます。

⑦ボタンを横に2つ並べました

これまではファスナー上部のボタンが1個でした。というか通常のGパンってボタン1個ですよね。それを横に2個並べることにしました。

 

これはなぜかと言うと、1個だとウエストの生地の引っ張りを1個のボタンだけで支えることになるので、そのボタンに力が集中してボタン回りの生地が変形してしまうのが気になったからです。2個なら引っ張りの力を分散できるので生地の変形を抑えられると考えました。

通常のGパンならベルトがウエスト周りをギュッと縛ってくれるのですが、私の商品はベルトループがないため、どうしてもウエスト周りの引っ張りがボタンに集中してしまうのです。

ボタン1個が2個になることでちょっとボタンが目立っちゃうかなぁと思うところはあるのですが、2個あることで♂♀のボタンホールを使えるのでそれはそれでいいかという結論になりました(私の中で)。

⑧オーバーロックの工程をなくしました

 オーバーロックの工程というのは、生地を裁断した生地端がほつれないようにオーバーロックミシンを使ってかがる工程です。↓がオーバーロックを使って縫ったGパンです(昔私が縫ったものです)。

ただ、できればロックをかけないで生地端を隠したいなぁというのが私の理想でした。ということで、ロックを使わず生地端を隠す仕様に変えました。↓がリニューアル後のパンツ(裏側)です。

どうでしょう?なんだかスッキリしたように見えませんか。巻き縫いとセルビッチ生地を活用することで、オーバーロック工程をゼロにしました。

⑨前立ての飾りステッチを変えました

前立ての飾りステッチはファスナーのところの半月のような形状の縫いなのですが、通常のGパンはこんな感じです↓。

 

それを↓のようにしてみました(糸は分かりやすいように黄色にしています)。

 

以上がリニューアルによる主な変更箇所になります。まだ今後変えていく可能性はありますが、現時点での自分の納得のいく形になったと思います。

「男女をデニムでカッコよく」をモットーにお客様一人一人に合うカッコいい商品を作り続けたいと考えております。今後とも何卒宜しくお願いいたします。